定次郎 略歴
土田 定次郎 (1908-1976) は日本の古生物学者、石油地質学者です。現在の岐阜県に生まれ、満州へ移り、四平街で小学校の訓導(教諭)をしながら、周辺の地質調査を行ないました。日本へ戻り、東北帝国大学理学部へ入学し、地質学古生物学を専攻しました。卒業後、平壌の大同工業専門学校で助教授、教授として勤務。その後、再び帰国し、北海道大学、新潟大学、埼玉大学の講師を兼任しながら帝国石油株式会社やアラビア石油株式会社などで国内外の石油探鉱業務に従事しました。早稲田大学教育学部教授(地質学担当)、同大理工学研究所 兼任研究員などを経て、昭和 51 年 (1976) 没。
「朝鮮鉱床論」の読解
定次郎が 昭和 19 年 (1944) に著した「朝鮮鉱床論」は、大同工業専門学校の学生に向けた講義内容を整理したものです。参考文献として、当時の朝鮮半島を調査していた諸機関などからの報告や、学会の雑誌などに投稿された論文などを示していて、本文でも多くの行を引用に費やしています。しかし、序文にも書かれている通り、図版が全く含まれていません。 また、行政区画、鉄道網、道路、鉱床などだけでなく、日本語自体(新旧漢字、新旧かななど)も変化する時期であったため、この著書と参考文献を読解するためには、行政区画便覧、地形図、鉄道局年報、地名辞典、地図帳などといった関連資料を経時的に追跡する必要があります。
幸いなことに、近年では多くの方々の努力により様々なデータベースが整備され公開されています。このサイトでは、「朝鮮鉱床論」と参考文献の根拠となる情報へのリンクを複数示し、読解、追跡、誤り指摘などの一助となるようにします。孫の TK が解説を加えた、「朝鮮鉱床論 再録版 PDF」の配布もしています。